2012年10月1日

ゲル節に女神様も困惑

湖の女神さま
「あなたが落としたのは、この金の斧ですか?
それとも、この銀の斧ですか?」

石破
「いいですか? 斧というのはそもそもには原始的な兵器でもあるわけです。
木の先端に石をくくり付けると、遠心力の効果によって大きなエネルギーを生み出せるわけです。
ですから、鍬や鎌とは違って、狩猟の時代から、重要なツールとして用いられてきたのです。
これが後に木を切り倒すような、大きな労力を擁する仕事に用いられるようになった、というそういうわけです。
大きなエネルギーがかかるわけですから、当然素材の強度は重要になるわけです。
つまりですね、金とか銀とか言ったもので斧を作ったとしてもですね、これは全く役に立たない。
変形してしまっては美術品にもなりませんが、使えなければ実用品でもありません。
大事なのは、実用に供することであると私は思っておりますので、金の斧と銀の斧は私が落とした斧ではありません。
分かりますか、私は木こりをしているので、実用に適さない金や銀の斧では木を切ることはできません。
ですから、繰り返しになって恐縮なのですが、先ほど申し上げたように、金の斧や銀の斧が私の落とした斧である、という主張はその正当性について疑問を抱かざるを得ないと申し上げざるをえません。」