2011年6月19日

「いろはにほへと」に関する一解釈

1.いろはにほへど ちりぬるを (色は匂へど散りぬるを)
A.色(しき)(=物資的現象)の花は匂うけれども散ってしまうのに

B.世の中に、楽しいこと悲しいこと、悔しいことむなしいこと、幸せな人も不幸な人も、金持ちも貧乏人も、いい思いをしている人も恵まれない人も、得するやつも損するやつも、美しいものも醜いものも、様々なものや現象や出来事があるが、これらの目に見える現象はすべて、夢のまた夢、いずれ変化し消えてなくなってしまう、むなしいものである。

2.わがよたれぞ つねならむ (我が世誰ぞ常ならむ)
A.私の人生も誰も永遠でありえようか。

B.私自身もこの世の中も誰もかれもが、どんなに華やかな人生でも、どんなに悲惨な人生でも、いつかは変貌し、破壊され、消滅してしまう。すべてがもともとこの世に存在しない一瞬の幻想なのだから、

3.うゐのおくやま けふこえて (有為の奥山今日越えて)
A.有為(人間の所行)の深い山を今日越えて。

B.怒りや妬み、愛も憎しみも、願望も欲望も希望も、幸福も不幸も、これらはすべて実体のない幻想にすぎない。心の奥にある、実体のないものにとらわれた煩悩を今日克服して空(くう)を悟り。

4.あさきゆめみじ ゑひもせず (浅き夢見じ酔ひもせず)
A.浅はかな夢など見るまい、酔ったりもしない。

B.この人生も、この世界も、すべてが実体がない。そのようなものに夢を抱くのは愚かな煩悩である。そんな夢など見ないようにしたい。幸福や希望に酔ったりもしない。